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第16回年次大会(2006年)実施報告・発表概要

日 時:2006年3月11日(土)11:00〜16:30

場 所:和光大学 A棟4階 第2会議室

〒195-8585 東京都町田市金井町2160 

TEL 044-989-7497(学部事務室)

プログラム:

◆11:00~11:40 課程博士号(青山学院大学課程博士第1号)取得記念講演

「仮定法現在の諸問題」

野村 忠央(和光大学)

 本発表では、まず仮定法現在の諸用法を概観し、その主要な形式的特徴3点を示した。そして、現代英語の仮定法現在節の諸現象は法助動詞句ModalPの主要部に生成される不可視法助動詞Mφの移動に由来し、また、通説とは異なり仮定法現在節は「現在」という時制を有していると主張した。そして、これらの仮定に基づけば上記3つの形式的特徴は全て整合的に説明可能であり、それ以外にも本稿の仮定を支える経験的証拠が数多く見られることなどを示した。また、伝統文法などで仮定される「should削除」による仮定法現在の派生は経験的・理論的に誤りであることも示した。

◆12:50~16:00 研究発表

★12:50~13:20

「認知言語学 方法的懐疑」

木内  修(東洋大学非常勤)

 認知言語学における基本理念や方略を再度吟味することで、無意味なパラダイムの硬直化や空転を防止するとともに、健全で、着実な理論の進展を促すことが本発表の目的である。また、科学としての言語学のあるべき姿や学際性への貢献は如何にあるべきかという、より高次なテーマを具体的に掲げることで、当該分野以外の専門家へ認知言語学の理解と研究協力を促しつつ、さらに、認知言語学の教育への応用可能性を拓くことを試みた。

★13:20~13:50

「感情のshould? あるいは仮定法のshould?: T. S. Eliot: ‘La Figlia Che Piange’の読みをめぐって」

植村  洋(和光大学)

 助動詞に限らず何であれ複数の用法がある場合、普通はどれか一つの用法に限定されて解釈される。事実、この詩の‘should’ (l. 21)も「感情のshould」として解釈されてきた。しかし物語内容・言説から抽象される語り手/主人公のアンビヴァレントな性格と、詩的言語のあるべきアプローチに照らして考えれば、その‘should’は複数の用法に分節化される以前の、いわば「用法未分のshould」と解釈すべきなのではないかとの見方を示した。

★13:50~14:20

「マイナーな見出し語にも光を―英和辞書点検―」

藤田 崇夫(浜松学院大学)

 一般に英和辞書で優先的にスペースが割かれるのは基本重要語である。改訂の際にも見直しがかけられるのは当然のことながら基本語である。一方で、常になおざりにされているのが、重要度表示の付かない非重要語すなわちマイナーな語彙である。しかし、マイナーな語彙の中には英語習得上重要なものが少なからずあることを考慮すれば、明確な編集方針を立てて一定量のマイナーな項目の記述を充実させる必要があることなどを主張する。

〈14:20~14:30 休 憩〉

★14:30~15:00

「学習英和辞典における感情を表す過去分詞形容詞の表記について」

松倉 信幸(鈴鹿国際大学)

 過去分詞は動詞的性質と形容詞的性質の両方を持っており、学習英和辞典において、感情を表す過去分詞は他動詞として示される場合と形容詞に示される場合との両方が見られるが、形容詞としての意味機能を示す例の方が多く見られる。その要因として、過去分詞本来の語彙規則、つまり語彙的におよび機能による場合が大きいと考えられる。これに加えて、実際に過去分詞が用いられるコンテクストや主語の置かれた心的状況、そして動作主の性質に起因するものと考えられる。

★15:00~15:30

「日英語の二重目的語構文」

勝山 裕之(青山学院大学非常勤)

 Barss and Lasnik (1986)の指摘する「間接目的語は直接目的語を非対称的にc統御する」という観察に注目し、Lasnik (1988)とAoun and Li (1989)の仮定する構造上の不備を補い、VP内主語仮説を考慮に入れ、経済的な派生による英語の二重目的語構文の構造を提案した。それに基づき、日本語の二重目的語構文の構造を提案した。助詞に関して数量詞と受動化によるテストを行うと、日本語の二重目的語構文は与格構文の可能性もあるということを指摘した。

上記研究発表の他、以下の英語教育実践報告がなされた。

★15:30~16:00

「Shadowingは学習者の音声面の習得を可能にする」

石井菊次郎(亜細亜大学非常勤)

(※各発表は30分(=研究発表25分+質疑応答5分)です。)

◆16:00~16:30 総 会

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