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第24回年次大会(2014年)実施報告・発表概要

プログラム:

日 時:2014年3月3日(月)12:30~16:30

場 所:東京外国語大学本郷サテライト

4階教室 受付、総会、記念発表、第一会場(英語学)

3階教室 第二会場(英米文学)

〒113-0033 東京都文京区本郷2-14-10 TEL&FAX: 03-5805-3254

大会運営委員長:永谷万里雄(青山学院大学非常勤)

大会運営委員・年次大会ファシリテーター:松倉 信幸(鈴鹿国際大学)

◆12:30 受付開始(4階)

◆12:50~13:40 総 会(4階教室)

司会 常任理事 松倉 信幸(鈴鹿国際大学)

総会では役員、一般会員を問わず、多くの会員の皆様のご出席をお願い申し上げます。

◆14:00 開会の辞(4階教室)

会 長 藤田 崇夫(浜松学院大学)

◆14:05~14:50〈記念発表〉(4階教室)
(※記念発表は45分:講演35分+質疑応答10分です。)

「『オックスフォード英語辞典』及びケンペル著『日本誌』に見られる日本語借用語とその英語への定着」

土居  峻(愛知工業大学非常勤)

 借用語研究は多く行われてきたが、日本語から英語への借用に限ると少ない。その大部分は借用語を一覧に纏めたもので、定着過程を考察したものはさらに少ない。そこで、『オックスフォード英語辞典』(OED)とケンペル著『日本誌』に出現する日本語借用語を検討した後、日本語借用語が英語に定着する過程を考察する。第1回東海支部会・第19回大会の発表内容との重複も多いが、綴りや発音に関する興味深い点も提示したい。ローマ字が生まれる前に借用された語は、それぞれの著者が聞いたままに表記しようとしており、現在の規範とは違う表記になっている。OEDに収録された日本語借用語の発音は不自然な点が多い。活字による借用で、どのように発音されるのかわからなかったのであろう。(2013年2月名古屋大学にて博士(学術)取得)

◆15:00~16:10〈研究発表〉
(※研究発表は30分:発表25分+質疑応答10分です。)

第一会場(英語学)4階教室
★15:00~15:35

「マラプロピズムの形態論的・意味論的分析」

吉田 明子(東洋大学大学院生)

 マラプロピズムとは、シェリダン(R. B. Sheridan)の作品『恋がたき(The Rivals. 1775)』に登場するマラプロップ婦人の名に由来する誤用の一種である。しかし、マラプロピズムはただの誤用ではなく、OEDが定義しているように、「語の滑稽な誤用(Ludicrous misuse of words)」と呼ばれており、話し手あるいは登場人物が無知で教養がないのにもかかわらず、学を衒って難語を言い間違えてしまうところに、おかしさや皮肉の効果が現れる。マラプロピズムとなってしまう語の性質として、正しい語と言い間違えた語(マラプロピズム)との間には、形態的な類似性が見られる。特にシェイクスピア作品では、「上品なウィット(refined wit)」を「下品な(vulgar wit)」と言い間違えるというように、意味的な語の関連性も見ることができる。本発表では、主にシェイクスピア作品およびシェリダンの『恋がたき』で使用されるマラプロピズムの特性について、形態論的・意味論的な分析を試みることを目的とする。

★15:40~16:15

「現在完了形の英語史的背景」

橋本 修一(千葉工業大学)

 英語の表現形式のひとつであるhave+過去分詞という「現在完了形」は、英語の現代文では、ごく当たり前に使われている表現のひとつだけれども、ヨーロッパのほかの言語ではすでに過去形と同じ意味でつかわれている。現在では、「have+過去分詞」を英語と同じように「現在完了」として使われているのはアイスランド語だけであるといわれている。12世紀以降、ほとんど変化していないアイスランド語に残った表現形式と同じものが、11世紀以降劇的な変化を遂げた英語に「現在完了形」が残ることになった。
 英語とアイスランド語だけに「現在完了形」が残ることになったその理由を英語史の観点から探ってみたい。

第二会場(英米文学)3階教室
★15:00~15:35

St. Mawerにおけるロレンスの社会的観念」

染谷 昌弘(東洋大学非常勤)

 ロレンス(D. H. Lawrence 1885-1930)の作品を論ずる場合、彼の個人的、内面的な記述のみが目につき、その社会的な側面を見逃してしまいがちになる読者は多いはずである。しかし、作品に現れる彼の文学的な態度は社会的な背景に対する強い反応の所産であることは論を俟たない。イギリスの批評家レイモンド・ウイリアムス(Raymond Henry Williams 1921-1988)は『文化と社会1780-1950』(Culture and Society 1780-1950)の中で「社会的価値についてのわれわれの思考に及ぼしたロレンスの重大な影響を知ることは容易である。」と述べている。また、F. R. リーヴィス(F. R. Leavis 1895-1978)は「社会的環境の透視的な理解」とSt. Mawerの特徴を挙げている。本発表では、ロレンスの中編小説St. Mawerを題材にして、とかく誤解を生んできたロレンスの「社会的な観念」を「カルチュラル・スタディーズ」や「文学理論」を援用しながら、作品に現れる「ファシズム」、「デモクラシー」、「主体」、「平等」、「肉体」、「共同社会」などの社会的観念を掘り下げて考えることによって、明らかにしようとするものである。

★15:40~16:15

「H. D. ソロー『森の生活』と21世紀のライフスタイル」

時松 賢二(東洋大学非常勤)

 H. D. ソロー(1817-62)は事実上、彼が1854年に出したWalden(『森の生活』)の一冊だけでアメリカ文学史上に確たる地位を占めている作家である。彼が『森の生活』を通して言いたかったことはシンプルライフの重要性である。この発表ではソローの唱えるシンプルライフの意味を把握し、そのことと時間・空間を隔てた、21世紀に住む私たちとのかかわりを明らかにしていきたい。

◆16:20 閉会の辞

副会長 鈴木 繁幸(東京家政大学)

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