日本英語英文学会設立趣意書

研究者は得てして自分の研究に没頭するあまり、近隣領域への認識が薄くなりがちである。しかし、歴史が明らかにしているように、近隣領域との邂逅とも言うべき出会いが研究の歴史を変えるという事例が数多く存在している。

我が国には「英米文学」、「英語学」、「英語教育学」、それぞれの分野を研究する研究者による学会は数多く存在するが、「英米文学」、「英語学」、「英語教育学」の研究者が一堂に会して研究に鎬を削る学会は存在しない。しかしながら、「英米文学」、「英語学」、「英語教育学」、それぞれの分野の研究者が一堂に会し、自分の研究分野とは異なる研究者からの稀有なる着想に示唆を得、それを自分の研究分野に持ち帰ることで、新たな稀有なる着想を持つことができるはずである。また、その着想がそれぞれの分野での新たな発見、新たな学問的成果となり、該当分野研究への大きな前進となる。このような機会への最適な場を提供するために、ここに日本英語英文学会の設立を提案するものである。

継続性を持った研究には多数の優れた研究者の力が必要なことは言うまでもない。研究者が集いやすく、また育ちやすい環境を提供するために、本学会は「開かれた学会」、「研究者を育てる学会」の気風を持ち続けたい。また、進取の気性に富んだ研究者たちに、口頭発表の機会を定期的に提供するだけではなく、学術論文や書籍の定期的な発刊を通して、研究成果の発表の機会を提供し続けたい。そして、関連する他学会と情報共有を密にすることで互いに補完し合う存在となり、「英米文学」、「英語学」、「英語教育学」、それぞれの分野の研究に寄与していく所存である。

設立発起人
鈴木 繁幸・永谷 万里雄・松倉 信幸