第20回年次大会(2010年)実施報告・発表概要 |
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日時: | 2010年3月13日(土)10:30~17:20 |
場所: | 東洋大学白山第2キャンパス(小石川植物園前)B103教室 |
〒112-0001 東京都文京区白山2-36-5 TEL 03(5844)2400(代表) | |
大会運営委員長: | 永谷 万里雄(青山学院大学非常勤) |
大会運営委員: | 鈴木 繁幸(東京家政大学) |
長久保 礼一(南山高等学校男子部) | |
◆10:30 | 受付開始 | ||
◆11:00~12:00 | 総会 | ||
※ | 総会では20周年記念出版などの案件がございます。総会には役員および一般会員を問わず、多くの会員の皆様のご出席をお願い申し上げます。 | ||
◆13:00 | 開会の辞 | 会長 藤田 崇夫(浜松学院大学) | |
◆13:10~13:40 | 記念講演: | ||
「広告のプラグマティックス」 | 副会長 鈴木 繁幸(東京家政大学) |
広告は、情報伝達上その意図が常に明示され、自明であるように考えられがちであるが、広告を理解するためにはただ単に広告を解読(decoding)しただけでは不十分であり、言語外的(extra-linguistic)能力とも考えられる、語用論(pragmatics)的能力を伴った語用論的な視点(a pragmatic point of view)が要求されることが非常に多い。つまりそこには一般的な広告の定義とは異なる「暗示(非明示)された広告主の意図」が存在するからである。本講演では、そのような意図とそれを理解する際に必要とされる能力について話をしてみたい。 |
◆13:45~14:45 | ワークショップ | 司会:勝山 裕之(青山学院大学非常勤) | |
(※ワークショップは60分(=研究報告40分+質疑応答20分)です。) | |||
「論理を重視した英文読解指導の授業例」 | |||
責任者:長久保 礼一(南山高等学校男子部・名古屋大学大学院生) |
本発表では、大学入試問題で読解力を試す問題がどれほどのウェイトを占めるかをまず確認する。さらに、英文読解問題の設問パターンを明らかにし、受験生が身につけるべき「言い換え」、「対比」、「類推」という論理的視点を提示する。その後、英検2級、慶應義塾大学法学部の入試問題を用いて、設問(出題者)の意図に対して論理的視点をどのように使いこなして解答を導き出すのかを実演する。最後に、高校の授業で「知の入口」に生徒を導くことにつながる難関大学入試問題の効果的活用法を提示し、発表者による近刊の書の紹介をする。 |
◆15:00~17:20 | 研究発表 | ||
(※各発表は30分(=研究発表20分+質疑応答10分)です。) | |||
★15:00~15:30 | |
「King Hedley IIにおける主人公の死について」 | 伊勢村 定雄(駒澤大学非常勤) |
オーガスト・ウィルソン作King Hedley IIという芝居は、教護院から戻ったばかりのキングが、故郷で新生活を始めようとするものの、求職に失敗し、結果的にミスターとともに再び不法な行為に手を染め、最後にはピストルの弾が喉にあたって亡くなってしまう事件を扱う。一方、その初めからエスターおばさんの死や葬式などが話題となり、彼女の影が間接的に見え隠れする。この不在であるが、その先に存在するエスターとこの芝居との関係を以下の3点から考察するのが本発表の目的である。(1)芝居の構造の問題 (2)Century-Cycle Playsとの関連 (3)現状との決別とその意味 | |||||
★15:35~16:05 | |
「イギリス文化に観る近代競馬」 | 園部 陽子(東京家政大学大学院生) |
日本では競馬というとギャンブルという概念が一般的で、スポーツであるという概念はほとんどない。しかしイギリスでは、競馬はスポーツとして認識されている。階級制度が残るイギリス社会では、競馬は王室と貴族を象徴する。その証拠として、イギリスではHorse racingという言葉の代わりにSports of King’sとも言われる。記録に残るイギリス最初の競馬は、戦争さなかの1377年Prince of Walesとアルンデル伯の間で争わせた。その後、一番競馬の発展に活躍した人物はチャールズⅡ世であり、競馬の規模を拡大するとともに競走馬の改良にも力を注いだ。これが近代競馬の原点である。本発表では、イギリスの馬との関わりを歴史的・文化的に考察し、そして競馬の発祥の地であるNewmarcketについて発表する。 | |||||
★16:15~16:45 | |
「イギリスにおける外国語教育」 | 矢田 貞行(東海学園大学) |
イギリスでは、2002年に国家言語戦略『すべての者に外国語を-生活のための外国語』と題する政府の外国語教育改革計画が出されて以来、初等学校における外国語教育の必修化が取り組まれてきた。そして2011年の全国共通カリキュラムの改訂時に、第2キーステージ(7~11歳)の初等教育段階から、外国語教育が必修となることになっている。 |
そこで本発表では、ここ数年間のイギリスにおける外国語教育改革の動向を概観するとともに、近年わが国における外国語教育を巡る状況も踏まえて、その特色、問題点等について考察していきたい。 | |||||
★16:50~17:20 | |
「ヘッドラインに用いられた動作主付き受動文」 | 松倉 信幸(鈴鹿国際大学) |
受動文はしばしばヘッドラインに見られるものの、動作主を伴う例はそれほど多く見られない。本発表ではヘッドラインに登場する動作主付き受動文に焦点を当て、収集した実例をもとに、その受動文の機能と用法について、情報構造の視点から分析を行う。先行研究として、Declerck (1991)はby句が共起する事例について、‘emphasized agents,’‘converted agents,’ そして‘information principle and theme continuity’を指摘したが、本発表ではこれらの要件をもとに新たな分析と考察を試みる。 | |||||
◆17:20 | 閉会の辞 | 常任理事 永谷 万里雄(青山学院大学非常勤) |
■ | 終了後、懇親会を予定しております。ぜひご参加下さい。 |
■ | 東洋大学白山第2キャンパス(小石川植物園前)までのアクセス: |
都営三田線「白山」駅下車A1出口から徒歩6分です。 | |
※http://www.toyo.ac.jp/access/hakusan2_j.htmlもご参照下さい。 |